国際恋愛の前に立ちふさがるのが「ビザ」の問題です。
ビザの期限が過ぎれば、外国人は帰国するしかありません。
そのため遠距離恋愛になることが多いんです。
でもビザの期限が結婚の引き金になりやすいのも国際恋愛。
結婚のキッカケが掴めないカップルの後押しになることだってあるんです。
とはいえ長期滞在できるビザの取得には大変な手続きが必要なのも事実。
入国審査、永住権の取得はハラハラどきどきの連続です。
そんなビザの問題について、実際に国際結婚した人たちに聞いてみました。
アメリカ人男性と結婚した日本人女性2人のケースを御紹介しますね。
1992年に結婚したAさん、2018年に結婚したBさん。
アメリカ人と結婚して入国する際には、参考になる点が多いはずです!
ビザ免除プログラムESTAで入国後に籍を入れた話を体験談としてまとめました。
ESTAを利用して渡米後に籍を入れることを推奨するわけではありません。
ひとつの国際恋愛体験談として楽しんでくだされば嬉しいです。
ビザ免除プログラムを利用して入国
Aさんの場合は、日本で婚姻届けを出してから渡米。
Bさんの場合は、アメリカに入国してから入籍。
どちらも最初はビザ免除プログラムESTAで入国しました。
ビザ申請は非常に時間がかかり、承認されるとは限らなかったからです。
様々なビザの種類がありますので簡単に紹介しておきますね。
アメリカに入国する際に必要なビザの種類
アメリカに入国する外国人に適用されるのが「移民法」という法律。
入国する目的によってビザの種類が異なります。
- 短期商用・観光:Bビザ
- 留学・学生:Fビザ・Mビザ
- 研修:Jビザ
- 専門職・就労:Hビザ
- 商用・管理職:Eビザ・Lビザ
- アーティスト・特殊技能保持者:Oビザ
- 婚約者:Kビザ
短期のビジネスや観光旅行ならビザ免除プログラムが使えます。
中長期の滞在になる留学、就労、研修、といった場合には専用ビザが必要です。
アメリカ国民の婚約者として入国する場合なら婚約者ビザ。
でも婚約者ビザを取得するのは非常に難しいのが現実なんです。
婚約者ビザ申請から取得までの遠い道のり
婚約者ビザを取得するには、まず米国市民権移民局へ申請しなければなりません。
米国大使館や領事館では申請できないのです。
書類は全て英文に翻訳する必要があります。
その書類もたくさんあるので準備が大変。
承認されれば承認通知が郵送されてきます。
さらに追加処理のため米国の国立ビザセンターへ請願が送られます。
そして在日アメリカ大使館や領事館へと転送されるのです。
ここまでのやりとりは全て「郵送」です!
どれほど時間がかかるか想像つきますよね。
そして承認されるかどうかも不確かなんです。
承認された請願の有効期限は4カ月。
この期間内に東京のアメリカ大使館へビザの申請をします。
ビザ申請書の提出はオンラインでできます。
申請が受理され、手数料を払ったら・・・今度は「面接」。
大使館または領事館まで出向いて、面接によって承認か却下か判定されます。
そう、ここまで手続きして、手数料まで払ったのに、却下されることだってあるんです!
承認されたとしても、Kビザが郵送されるまでに1週間はかかります。
そんなわけでAさんもBさんも観光客として入国したそうです。
でも入国審査では厳しくチェックが入ります。
チェックが厳しい入国審官からの質問責め
ESTAで観光客として入国するなら、とっても簡単。
渡航準備はESTAの申請をして航空券を準備するだけ。
遅くても数週間で出国し渡米できます。
早く恋人と会いたいカップルはこちらを選ぶ人も多いんですが・・・
本来の目的とは違うビザを取るのは詐称に当たる可能性もあります。
このブログでは国際恋愛体験談を紹介していますが、その方法を推奨するものではありませんのでご留意お願いいたします。
ビザ免除プログラムESTAとは
ビザ申請の手間や時間を省けるのが免除プログラムESTA。
「Electronic System for Travel Authorization」電子渡航認証制度の頭文字です。
オンラインで申請できるので手続きが簡単でスピーディに発行されます。
ビザ免除プログラムが適用されるのは短期の商用や観光旅行の場合のみ。
ESTAの取得は簡単なのですが、入国審査で厳しくチェックされます。
入国審査で質問されること
飛行機でアメリカの空港に到着したら、まず通過するのが入国審査のゲート。
ツアーに参加している場合なら問題なく通過できます。
個人旅行でも、宿泊先ホテルを予約してあり、往復の航空券があれば簡単。
宿泊先が個人宅だったり、片道の航空券しかないと、理由を必ず聞かれます。
特に片道航空券では観光旅行とは見なされず、しつこく質問されます。
ですから帰国分が無駄になっても往復航空券は必要です。
AさんもBさんも入国審査では苦労しました。
日本で入籍を済ませたAさんのケース
Aさんの場合は、アメリカに住む彼が、日本へ来て結婚式を挙げて入籍。
結婚後はアメリカで暮らす予定だったので、彼は観光ビザで問題ありません。
婚姻届を出した後、婚姻証明書を持って2人で渡米しました。
結婚前に渡米した経験からAさんは、滞在先に女性宅を告げたのです。
「ボーイフレンド」なんて言ったらアウト。
あくまでも「フレンド」「ジャスト・フレンド」だと強調。
結婚する意思はないと言わなければダメです。
結婚後の渡米でもAさんは観光客としてESTAで入国しました。
パスポートには前回の渡米スタンプが押されています。
でも90日以内に帰国しているので問題ありません。
今回は滞在先として彼の姉の名前と住所を告げ、2週間後に帰国する航空券を提示。
すんなり入国できました。
これは後で気づいたことですが、比較的オレゴンは移民が少ない州だからかもしれません。
カリフォルニア州やワシントン州は移民が多いため、入国管理局も忙しいのです。
ただしAさんが渡米したのは1992年なので、最近は変わっている可能性があります。
渡米後に入籍したBさんのケース
Bさんの場合は、特に移民が多いカリフォルニア州で入国してから結婚しました。
一人で、初めての渡米だったため、移民弁護士と行政書士を雇って準備。
アメリカに住む彼が作成してくれた招待状を持って、観光客としてESTAでの入国です。
滞在先が男性宅。
滞在期間が80日。
このためBさんは、結婚して帰国しないのではと疑われてしまったんです。
実はBさん、2匹の猫を連れて渡米する予定だったのです。
ところが出発の直前になっても猫をケージに入れることができない。
神経質になっている猫を捕まえることすらできませんでした。
仕方なくBさんは、友人に猫を預けて渡米したのです。
彼の招待状には猫を連れてくることも記載してあります。
それで帰国の意思があるとみなされたようです。
あくまでも「観光旅行」であると言い張ることで無事に入国できました。
入籍は、アメリカの日本領事館へ婚姻届けを提出するだけ。
アメリカには戸籍制度がないので、州の役所へ結婚許可証の申請をします。
日本政府への婚姻届けも、アメリカ政府への結婚許可証も手続きは簡単。
書類を出すだけで、すぐに受理されます。
大変なのが永住権の取得なんです。
正式に結婚しているにもかかわらず、偽装結婚を疑われるんですよね。
アメリカ入国後に必要なのが永住権の取得
日本で入籍を済ませたAさん。
アメリカで入籍したBさん。
正式に結婚しているのですから永住権は簡単に取得できるはずです。
それでも偽装結婚を疑われないよう、念には念を入れて準備をしました。
アメリカの永住権「グリーンカード」とは?
アメリカの永住権は「グリーンカード」と呼ばれています。
グリーンカードがあれば就職も入出国も自由。
長期滞在中に、何度もビザの申請をしなくて済むんです。
- アメリカ国民の配偶者
- アメリカ企業に雇用されている従業員
- アメリカ企業に投資する投資家
- 抽選プログラムによる移民
この中で比較的、取得しやすいのが配偶者の永住権です。
そのため偽装結婚をして永住権を取得しようとする人が後を絶ちません。
ですから入国管理局でも、本当に結婚しているかどうか入念にチェックするのです。
外国籍のまま長期間その国で暮らせるのが永住権。
国籍を居住国に変更するのが帰化。
帰化して一時帰国する場合は、外国人として母国に入国することになります。
そのため自国の国籍のまま移住できる永住権を取得するケースが一般的です。
配偶者としての永住権を申請する場合
Aさんが永住権の申請をしたのは1992年。
Bさんが永住権の申請をしたのは2018年。
クリントン政権の時代と、トランプ政権の時代、という違いがあります。
トランプ政権は特に移民に関して排他的になっています。
でもクリントン政権の時代だって、決して楽ではありませんでした。
永住権を取得してアメリカに20年も住んでいるのに申請し直しを命じられることも。
申請には手数料がかかるし、時間も取られるのです。
でも手続きを怠ると永住権を失うことになるので仕方ありません。
Aさんが取得した永住権も最初は3年の期限付き。
3年後に申請し直す必要がありました。
2度目の申請では、3年間ちゃんと結婚していた事実を証明しなければいけません。
これは光熱費や家賃の領収書、銀行口座の支払い履歴などがあればOKです。
トランプ政権になってから入国したBさんの場合は、永住権の取得に1年もかかりました。
申請を出している期間は、アメリカ国外へ出られません。
一時帰国もできないため日本に残してきた猫も引き取れないのです。
やっと永住権を取得出来て日本へ帰国できる!
と思った時に発生したのがコロナ騒動です。
未だにBさんは帰国できずにいます。
マンションの家賃とキャットシッターの費用も払い続けているんです。
【まとめ】立ちはだかるビザの壁を乗り越えた国際恋愛
ビザの取得、入国審査、永住権の申請。
結婚して外国で暮らすには多くの手続きが必要です。
そういった手続きを怠ると、不法滞在になり強制送還という事態に!
不法滞在、強制送還されると、再入国できなくなってしまいます!
入国審査や永住権の申請では、SNSや携帯電話を調べられることもあります。
できるだけ準備を整えても不測の事態が起こるものです。
そのためAさんもBさんも渡米前に色々と調べました。
好きな人と、できるだけ長く一緒にいたい。
ただそれだけのことすら自由にならないのが国際恋愛です。
そんな壁を一つ一つ乗り越えていくことで、大きな幸せを手にした2人。
苦労はしたけれど、大好きな人と暮らせる日々は充実しています。
Aさんの出会いから結婚までの体験談は、こちらの記事をご覧ください。
Bさんの出会いから結婚までの体験談は、こちら。
ぜひ参考にして、あなたも素敵な出会いを見つけてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました♪
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