本日のテーマは、国際恋愛につきものの「言葉の壁」について。
外国人と交際するうえでは、必ず出てくる課題です。
でも、言葉さえ通じれば、気持ちも通じると思いますか?
日本人同士でも、理解し合えないことってありますよね。
言葉が通じない・文化が違う、というのは確かに大きなストレス。
それが原因で別れてしまうカップルも多いです。
また、日本では、別れたカップルが再び友達関係に戻ることってあまりありませんよね。
でも海外では「恋人や夫婦でなくなっても友達」というケースがあるそうです。
今回紹介する体験談は、言葉の壁を乗り越えた日本人女性のお話。
その壁の先、本当に通じ合った夫婦が取った選択とは・・・
言葉の壁を前にして、愛情や大切なものを失いそうな人にぜひ読んで欲しいです!
言葉の壁を乗り越えたコミュニケーション法とは
それでは、長年信頼し合った関係を続けている国際カップルをご紹介いたします。
なんと二人は子供がいない「もと夫婦」。
10年以上の結婚を経て離婚、その後ずっと友達として付き合っています。
別れても友情を持ち続けられるのは、相手を大切に思う気持ちがあるからといいます。
お互いの人生を応援し合い、個人としての生き方を尊敬しあっている。
そんな関係を築くには、言葉が大切だったと言います。
お互いに相手を傷つけたくない、という思い
アメリカ人の旦那さんと、日本で知り合って結婚したAさん。
10年以上の結婚生活では一度もケンカをしたことがないと言います。
それは相手を傷つけたくないという思いがあったから。
Aさんは思ったことを率直に伝えたいタイプ。
でも率直に伝えるとはいえ、言葉は選ぶ必要があるといいます。
きちんと気持ちを伝えあうのは難しいですよね。
Aさんたちも、コミュニケーション方法を模索したそうです。
とはいえ外国語でのコミュニケーションには限界があります。
どんなに語学が身についても、微妙なニュアンスまでは伝わらない。
理解できない部分もあります。
そんな言葉の壁は、どんな風に乗り越えたのでしょう?
外国生活がつらいと感じ始める2年目
Aさんが最初に離婚を考えたのは、アメリカ生活の2年目。
ある程度の英語力がついて、アメリカ生活にも慣れてきた頃でした。
2年目になり、周囲も外国人として扱ってくれなくなる時期。
夫との日常会話もネイティブと同じスピードと語彙になってきます。
辛かったのは、夫の兄弟姉妹や友人、同僚との会話に入れない時だったそうです。
アメリカは会社のイベントですら夫婦同伴が普通。
そんなネイティブの会話に加わるのは非常に疲れます。
会話に参加できない疎外感、孤独感もありました。
それでも言葉の壁を言い訳にしたくなかったAさん。
必死に英語を覚えながら、せめて夫とは理解し合える方法を考え続けたのです。
気持ちを伝えあうため夫婦で文通?
ある時Aさんは、夫に文通を提案しました。
文章でなら、辞書で調べながら書くことができます。
相手の文章も、辞書があれば読める。
会話では咄嗟に出てこない言葉でも、文章なら考えながら書くことができるのです。
文章で書くことは、客観的になれるというメリットもありました。
もやもやした気持ちを整理することもできました。
それまでも日記に自分の気持ちを書いていたAさん。
相手の気持ちを知るために、夫にも書いてもらったのです。
夫も分かりやすい言葉を選んだり、ゆっくり話したりしなくて済むので気楽。
思ったことを、そのまま書いてもらうことができました。
こうして言葉の壁を乗り越えたAさんたち。
すると、あることにも気づきました。
それは言葉が通じる=分かり合えるというのは幻想だ、ということ。
言葉で伝えるためには自分の本音を自覚しておくのが大事
言葉で伝えあうのが下手な日本人。
それは自分の気持ちが整理できていないことも一つの原因だとAさんは指摘します。
Aさんも、アメリカ人の夫と議論するうちに、自分の気持ちが分からなくなったと言います。
ある時Aさんは、夫の姉に言われた言葉にカチンときてしまったそうです。
「Aも、だいぶアメリカナイズされてきたわね~」
そんな風に指摘されて、つい言ってしまった一言。
「でも私、アメリカが嫌い」
内心(しまった!)と思ったのですが、義姉は笑い飛ばしてくれました。
「アメリカはクレイジーだから当然よ。でも何を言ってもいいのがアメリカの良さよ」
本当にアメリカが嫌いなわけではありません。
つい言ってしまった言葉に反省したAさん。
でも、どんな意見を言っても拒絶されない。
そんなアメリカ人だからこそ本音が言えるようになったと言います。
「自分の本音を自覚することによって、相手を気遣う優しさも持てる」とAさんは感じたそうです。
自分の気持ちを言葉にすることで、冷静に、客観的に、相手の本音を探ることができるのだと気づきました。
まずは日記に書いて自分の本音を言葉にする
SNSやブログなどで自由に発言できる現代。
思いついたことをパッと書いて投稿。
そういうコミュニケーションばかりだと、本音に気づく時間が持てません。
SNSの投稿では本音ではない言葉も溢れています。
そんな発信とは別に、誰に見せるわけでもない日記なら本音を書けます。
書くと冷静になれます。
すると客観的になって自分の本音に気づけるようになるんです。
心にもないことを、つい発言してしまわないために。
本心を言葉にして自覚しておくことがポイントだとAさんは言います。
自分の本心を自覚したうえで発言する
恋人との会話、家族とのコミュニケーション。
そのまま本音を口に出すことはあまりありませんよね?
ただ本音に気づかないまま言葉にしてしまう、ということは多々あります。
- 思ってもいないのに、相手が喜ぶことを言ってしまう。
- それほどのことでもないのに、キツイ言葉で批判してしまう。
- ついカッとなって出てしまう言葉。
でも大切な恋人、友人、家族との会話なら、正直な気持ちを正確に伝えたい。
そのために正直な自分の気持ちを知っておく必要があるのです。
もちろん、他にも大切なポイントがあります。
受け入れられなくても拒絶はしない
ありのままの自分を表現すると同時に、ありのままの相手を受け入れることも大事。
自分とは違うなと感じたら、そう言っていいんです。
ただ拒絶はしないこと。
違いがあるのは当然。
その違いに惹かれて付き合っているはずです。
ムカムカして口もききたくない場合、そう言って少し離れてもいい。
そうして自分の気持ちを言葉にできるまで整理してから話せばいいんです。
何も言わないで不機嫌な顔をしているだけでは、何も解決しません。
「気持ちをそのまま、ぶつけあうのが親しさではない」とAさんは考えています。
ストレートな感情表現、率直な意見は、決して相手を傷つけるキツイ言葉ではないんです。
嫌な部分があるなら指摘して直して欲しいと伝える。
傷つける言葉を使わない配慮さえすれば、ちゃんと分かってもらえます。
たとえ別れるにせよ、相手を傷つけることには何のメリットもないとAさんは言います。
大切な人との関係を壊さないために
良い関係を築いてきたのに、離婚して友達に戻るという選択をしたAさん夫婦。
その理由が気になりますよね。
離婚の理由は、一言で表現できることではないとAさんは言います。
決定的な何かがあったわけではないからです。
他の人に惹かれることもあったけれど、それは一時的な気持ちの中だけのこと。
経済的に苦しい時期もあったけれど、そんなことが2人の関係を壊す原因にはなりませんでした。
ちょっと恥ずかしそうな顔で言うAさん。
「手放す愛っていうのも、あるんだね」
Aさん夫婦が行きつけにしていた、バーのマスターが言った言葉だそうです。
二人の関係をずっと見てきたマスターには、そんな風に見えたのですね。
離婚を迷う時期から吹っ切れるまで
Aさん夫婦は、結婚当初から一つの約束をしていました。
結婚10周年目には家を買おうという目標です。
新婚カップルなら、みんな語り合う夢ですよね。
まずはアメリカで5年、次に日本で5年、お互いの国で暮らしてみる。
それから、どこに家を買って定住するか決めようと話していました。
夫の祖父母がいるイギリスという選択肢もあったと言います。
結婚してから母国アメリカの専門学校へ通い、天職に巡り合えた夫。
彼は日本に移っても同じ仕事に就くことができました。
日本に戻ってからは、母国で自営業を始めたAさん。
そして、そろそろ結婚10周年が近づいたころ、2人は今後のことを話し合ったのです。
それぞれ別の道を歩んだほうがいい
ちょうど夫が勤めていた会社が経営不振に陥った時期でした。
契約社員だった彼は仕事を失います。
妻であるAさんが働いているので経済的には問題ありません。
とりあえず英会話教室でも何でも働く、と言う夫。
でも、せっかく見つけた好きな仕事を、日本に住んでいるからという理由で諦めてほしくない。
しかしAさん自身も自分の仕事を見つけたところだったので、日本を離れたくない。
そんな時に出会ったのが「もと夫婦」という日本人カップル。
子供もなく、離婚後も二人でバーへ行くような仲のいい二人が言った一言が決め手でした。
「もと夫婦って、最高の友になれるのよ」
「そうかもしれない・・・そうだろうな」とAさんは感じたのです。
どちらかが犠牲になって、我慢したら、2人の関係が壊れてしまう。
それなら別々の道に進んでも友達でいるほうがいい。
Aさんと別れてしまった夫が今も友人でいられるのは、お互いを思いやる気持ちを忘れないから。
しかし、それまでに徹底的に言葉で気持ちを伝えあったからです。
相手が外国人だからこそ気づけた自分の本音。
外国語だからこそ気を遣った言葉の選び方。
そこには同国人では気づけない部分が多くあり、そのことに感謝していると言います。
離婚後もずっとメールをやり取りしていた二人。
Aさんが彼からのメールの中で、最も嬉しかった言葉を教えてくれました。
「You are part of my life」
あなたは、わたしの人生の、一部
元夫は数年前に再婚したそうです。
そのこともAさんは心から祝福しています。
「結婚も離婚も全く後悔していない」
曇りのない笑顔で言うAさん、とても素敵でした。
母国語なら理解し合えるとは限らない
相手に伝わらない、相手のことが理解できない。
それは日本語の会話でも頻繁に感じることです。
外国語で会話している時の方が、言い回しやニュアンスに気を遣うもの。
何も考えずに話せるのが母国語です。
さらに、恋人や家族といった親密な関係ほど言葉に気を遣わないものです。
でも、それでは誤解したままの場合も多いのではないかと思いました。
そこで、Aさんからのアドバイスを紹介させていただきます。
言葉の壁に悩む人だけではなく、コミュニケーションに悩む人にもぜひ知って欲しい考え方です。
両親や兄弟姉妹、家族のこと理解できてる?
最も身近な家族。
ちゃんと理解しあえているでしょうか?
家族なら言わなくても分かる、と考えやすいのが日本人ですよね。
家族でもI love youを言い合うアメリカ人との違いはここ。
両親も子供の言い分を聞きますし、子供も両親の理屈を聞きます。
具体的なことまでは話さないとしても「いま」どうなのかを話すのがアメリカの家族です。
「今つらいことがあるから、ひとりにさせて欲しい」
「今は話せなくてもいいけど、心配していることは知っておいてね」
そんな風に声を掛けておくことを怠らない。
家族だからこそ心配かけたくない、という優しさも日本人にはあります。
けれど、そうして曖昧なまま、誤解したままでは、家族が遠い存在になってしまう。
だからAさんは、距離的にも離れている両親に、ちゃんと言葉をかけるようにしました。
友達になら何でも話せる?
家族より何でも話しやすいのが親しい友人。
恋の悩みなんて、親には話せなくても友達になら話せます。
それはアメリカ人だって同じ。
議論ができるかどうかが、日本人とアメリカ人の違い。
日本人は共感するのは得意だけれど、異論を唱えるのは苦手ですよね。
相手に反論されると凹んでしまい人も多いのではないでしょうか。
反対意見を言われると、自分自身を拒絶されたかのように感じてしまうときもあります。
だから本当の気持ちは言えない。
言ったら相手を傷つけてしまうのではないかという心配も・・・
あるいは共感できない相手とは友達になれない。
だから共感できることしか話せない。
それでは同じ意見の、同じ価値観の人としか付き合えなくなってしまうんです。
お互いの意見の違いも、価値観の違いも、知ったうえで友達でいられる関係。
それが最高の友ではないでしょうか。
恋人には気持ちを伝えている?
アメリカは多民族国家だからこそ、特に言葉で伝えることが重要視されます。
言わなければ分からない、ということが徹底しているのです。
日本人同士なら会話もスムーズ。
でも、同じ民族、同じ言語だからといって、言わなくても通じるはずはありません。
誤解したまま、曖昧なまま、付き合っていることが多いのではないでしょうか?
ケンカしたら「もう顔も見たくない」「口もききたくない」ってそっぽを向いてしまう。
これでは伝わりませんよね。
言いたいことはハッキリ言うアメリカ人。
こちらの言い分も聞いてくれるんです。
素直に気持ちを伝えあうほうが、お互いスッキリします。
ちゃんと相手と向き合って、理解しあうために。
相手の気持ちを探るばかりではなく、ちゃんと自分の気持ちを伝えることが大事です。
駆け引きばかりの恋愛では、決して理解し合える関係にはなれません。
自分の意見や気持ちを自覚して言葉にして伝えることが大切。
国際恋愛のメリットは言葉の大切さに気付けること
相手が外国人だから気づけることに「外国語だから言葉を選ぶ」って、確かにありますね。
語学力の問題というより、相手に伝えようという気持ちが大切なのだと感じました。
国際恋愛では言葉が壁になりがち。
でも、Aさんのように乗り越えることもできるんです。
そしてその過程で言葉の大切さに気付けるのは、とっても貴重な体験だと感じました。
あなたも、大切に思う気持ちは言葉で伝えてみてください。
そしてパートナーとの出会いを素晴らしい体験にしてくださいね!
日本人と外国人との違いも知っておくと、相手への理解も深まりますよ。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます♪
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