どこで暮らしていても病気や怪我をすることはあります。
それが医療制度の異なる外国だと、とっても不安ですよね。
外国人の恋人が日本で病院へ行く場合。
自分が外国で病院へ行く場合。
普段の生活では思いもよらない場面に遭遇することになります。
アメリカ人と結婚したAさんが、そんな体験談を教えてくれました。
夫のBさんとまだ交際中の頃、彼は日本で怪我をしてしまったんです。
たいした怪我ではなかったのに救急車を呼ぶ騒ぎになってしまったそう。
その後、結婚したAさんとBさんは渡米し、今度はAさんがアメリカの病院へいくことになりました。
その時に初めて知ったのが、日本とアメリカの医療制度の違いでした。
その驚き体験はきっと読者様の参考になるはずです♪
アメリカ人の恋人が日本で怪我をしてしまった!
日本人のAさんとアメリカ人のBさんは、お酒が好きな国際カップル。
繁華街でデートすることも多く、お酒を飲みすぎての失敗も数々あります。
日本に来たばかりの頃は、酔って歩いている人を見て驚いていたBさん。
でも、いつの間にか自分も同じことをするようになっていたんです。
そんなAさんとBさんのデート中の出来事です。
Bさんが路上で転んでしまい、額に怪我をしてしまいました。
大した怪我ではなかったものの、大げさに血が噴き出て救急車を呼ぶことに。
するとBさんは、ものすごい剣幕で「NO!」と叫んだのです。
興奮すると余計に血が出てきます。
アルコールが入っているから尚更・・・
周囲の人から見ると、ひどい怪我をしているように見えたんだそうです。
「大丈夫だ、自分で病院へ行く」と言い張るBさん。
けれど救急車が到着してしまったため、観念して病院へ運ばれていきました。
額の怪我は大した事ありませんでした。
傷口を消毒して包帯で止血すれば済む程度。
なのに、Bさんはまだしょんぼりしています。
Aさんがその理由を尋ねてみると・・・なんと救急車の費用が心配だったとのことなのです。
アメリカで救急車を呼ぶと高額
Bさんは、日本では救急車が無料だということを知らなかったんです。
アメリカでは救急車を呼ぶだけで料金がかかると知ったAさんもビックリ。
州のよって料金が異なりますが、実は救急車を呼ぶと300~500ドルもかかります。
ですからアメリカ人は、よほどのことがなければ救急車なんて呼ばないのだそうです。
州ごとに違う救急車の料金
アメリカで救急車の料金は州や都市によって大きく異なります。
東海岸のニューヨークなら300ドル程度。
西海岸のロサンゼルスだと400ドルくらい。
ハワイのホノルルだと500ドル以上。
タクシーのように、基本料金があり、1マイルごとに加算されていくシステムです。
救急車の中で応急手当を受けた場合の医療費も必要。
さらに病院での治療費がプラスされます。
救急車が有料なのはアメリカだけ?
救急車に料金が発生するのはカナダ、オーストリア、フランスも同じ。
金額もアメリカ同様に高額です。
イギリス、ブラジルでは救急車に料金は発生しません。
国ごとに医療制度が異なるので、事前に調べておいたほうが安心ですね。
- アメリカ・カナダ 911(救急車・消防・警察)
- イギリス 999(救急車・警察)
- ブラジル 192(サンパウロ)1530(その他の地域)
- オーストリア 144
- フランス 15
海外旅行する場合には、旅行者用の保険に加入する人も多いですよね。
結婚して相手の国で暮らす場合にも、その国の医療制度はぜひ知っておきましょう!
アメリカは国民皆保険制度ではない
日本は国民皆保険制度。
日本国内に居住する人は医療保険に加入する必要があります。
もちろん外国人も3か月以上の在留資格がある人ならば加入できます。
でもアメリカの公的健康保険は「皆」ではありません。
受給資格を満たしている人だけが加入できるシステムなんだそうです。
アメリカの公的健康保険
アメリカの主な公的健康保険は、主に1965年に創設された二つ。
- 65歳以上の高齢者や身体障碍者のための「メディケア(Medicare)」
- 低所得者のための「メディケイド(Medicaid)」
これらの対象にならない人は、個人で民間の保険に加入するしかありません。
メディケイドの対象になるほど低所得でなければ保険料の負担が大きい。
それで保険に加入していない人も多いんだとか。
健康保険に加入していない多くのアメリカ人
全国民をカバーする公的医療保険制度がないのは、先進国ではアメリカだけ。
メディケイドの対象にならない低所得者に対して、政府が補助金を出す制度もあります。
一方、富裕層に対しては医療保険に加入しないと税金を高くすることで加入率を上げているようです。
それでも多くのアメリカ人が、まだ保険に加入していません。
2018年の保険未加入者は全米で約2750万人で、アメリカ国民の約8.5%。
アメリカの国勢調査局(US Census Bureau)のサイトに、そんな数字が出ています。
高額なアメリカの医療保険
アメリカの平均的な医療保険の料金は、一人当たり月300~500ドル。
所得に関わらず保険料は高額なので、加入しない人も出てくるのだとか。
また、民間の医療保険会社の場合、以前にかかった病気があると契約できないこともあります。
病院で治療を受けたり手術をしても、保険会社が保険料の支払いを拒否することがあるんだそうです。
そのためアメリカで個人破産する人の半数は、医療費が払えないためと言われています。
アメリカの医療は最先端で高レベルですが、その医療を受けられるかどうかは保険と経済力次第。
保険に入っていない場合、病院での診察すら拒否されることがあるんだそうです。
アメリカ人の多くは勤務先の保険に加入
アメリカ国民の半数近くは企業が用意する民間の医療保険に入っています。
大企業なら保険を用意していますが、中小企業の1/3は保険を用意していません。
自営業者の場合も自分で保険を選んで契約する必要があります。
その後Bさんと結婚してアメリカで住むことになったAさんも、彼の勤務先で用意している保険に加入。
それでも実際に病院へ行くことになると、やはり日本とは違う部分が多かったそうです。
アメリカで病院へ行くことになったら
アメリカでAさんが初めて病院へ行ったのは、肺炎を起こした時。
寝ている間に突然、胸の痛みに襲われ救急病院へ。
もちろん、自家用車で向かったそうです。
レントゲン写真で肺炎と診断され、注射1本で痛みが取れ、楽になりました。
水分と栄養を充分に摂るようにと指示されただけで、そのまま帰宅。
日本でなら、きっと入院のはずです。
痛みは取れましたが、Aさんは病院のドアを自分で開けられないくらい衰弱していました。
その後の1週間くらいは自宅のベッドで横になっていたそうです。
できるだけ入院させないアメリカの病院
その後Aさんは、筋腫の摘出手術も受けました。
全身麻酔をしての開腹手術です。
その日の夜は病院で過ごしましたが、手術の翌日にはリハビリをすると言われてビックリ。
ベッドから出て廊下を歩く訓練をすると言われたのです。
手術跡はふさがっていないし、1人で立ち上がって歩くこともできないのに。
爽やかな青年が介助してくれましたが、傷口が痛くてたまりません。
脚が弱るほどベッドにいた覚えはないけど・・・と思いながら仕方なく歩いたAさん。
病院の廊下を一往復するのがやっと。
なのに、もう一往復しようと言う看護師。
涙目で訴えたら、ようやくベッドに戻してくれたそうです。
そして、その翌日には退院していいと言われたのです。
病院の入り口までは車椅子で運んでもらえましたが、その後は自家用車に乗って帰宅。
民間保険には問題点もあるのが現状
退院後は家事などを手伝うために、夫であるBさんの姉が来てくれていました。
それでAさんは、あまりにも早い退院のことを尋ねてみたそうです。
するとBさん姉は、出産した時ですら翌日には退院し、数日後から仕事に復帰したとのこと。
どうしてかというと、保険会社からの圧力がかかるため。
入院費というのは保険会社にとっては「損失」なんですね。
風邪くらいでは病院へ行かず、市販の薬を買って済ますのがアメリカ人。
月々の保険料は決して安くないのに、治療に使える範囲が限られている場合もあります。
そのため、保険に加入していない人も多いんですね。
コロナが発生し始めた時、検査や治療が遅れた要因とも言われたそうです・・・
【まとめ】外国での怪我や病気にも備えておこう!
日本では国民皆保険があるので、そのメリットは最大限に活用すべきです。
Aさんはアメリカへ移住する前に、歯の治療やメガネの購入を済ませておきました。
Bさんも日本に住んでいる頃には、よく整体やマッサージなどを利用していたそうです。
病気や怪我は予測できないもの。
外国人と交際中には医療関係でのトラブルもあり得ます。
あらかじめ調べて準備しておくに越したことはありませんよね。
あまり医療保険が芳しくない一方で、アメリカには最先端の医療技術があります。
だから難しい手術などの場合には、アメリカのほうが良い治療を受けられるかもしれません。
Bさんが結婚前に突然アメリカへ帰国したのも、日本では難しい持病の手術を受けるためでした。
それでAさんとBさんは一時期遠距離恋愛になってしまったそうです。
医療制度の他に、結婚制度についても日米では大きな違いがあります。
知れば知るほど面白い、国の制度や文化の違い。
アメリカ以外の国での驚きの体験談はこちらにもまとめてあります♪
最後までお読みいただきありがとうございました。
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